「レイクリゾート」とは
何なのか。

「レイクリゾート」という言葉は、湖やその周辺環境を生かしたリゾートのこと。
では、「湖やその周辺環境を生かした場所」とは何なのか。これを考えるにあたって、「湖」や「湖がある場所」の持つ価値について、国内外含めた湖およびその周辺をリサーチしながら、研究・分析を重ね、その居心地の良さについて対話や考察を繰り返してきました。

そうしてさまざまな角度からの視点を経たいま、
「湖」には一人ひとりが居心地の良さを見つけられる”余白”があること、そしてそんな余白を生み出してくれる湖そのものの穏やかさが、湖のある場所、「レイクリゾート」の本質的な価値なのではないかと考えています。

私たちに
ついて。

ご意見・問い合わせ

本webサイトは、白樺湖・蓼科湖・女神湖といった高原の湖を有する蓼科・白樺高原から「レイクリゾートプロジェクト」として発信しています。

このプロジェクトはもともと、民間の有志事業者で立ち上がった取り組みです。そこからリサーチやSNSでの情報発信、イベント開催などを徐々に進めていく中で賛同地域事業者が集まってきて、2022年から行政も参画し、「レイクリゾート」の概念がオフィシャル化。官公庁にも評価していただける動きになってきました。

同時に、どんなに大きな取り組みになろうとも、地域事業者をはじめ、住民、観光客、働く人々、別荘利用者など、一人ひとりの声にもとづいたまちづくりを目指しています。また、根本的な課題改善であればあるほど、現場の声と大きな取り組みの連携が不可欠です。共感して一緒に動いてもらえるメンバーを、いつでも募集しています。

レイクリゾートプロジェクトの原点

2019年、このプロジェクトの前身となる取り組みが、
白樺湖からスタート。
白樺湖レイクリゾートプロジェクト

それまでは「高原リゾート」として内外ともに認知のあった蓼科・白樺高原でしたが、この地域で日々暮らし営みを続けるさまざまな人の声を聴いていると、「湖がある」ことによる居心地のよさが語られることが多くありました。さらに、その「居心地」の多種多様なこと。

「湖って実は、体を使って遊べることがいっぱいあるんだよ!」

「なんか嫌なことがあると湖にくる。
 包み込まれるようなあったかさがあるんですよね」

「湖畔で本を読むのが好きなんです」

「家族とか友達と湖のほとりで焚き火をするのはすごく特別な時間」

「ランチ持ってきて水辺の木陰で
 子どもとのんびりするのがちょうどいいの」

「犬の散歩がてら、湖の周りを一周すると気持ちいいよ〜」

「夫婦でベンチに座って、ただぼーっとするの。湖見ながらというか、
 見てないのかもしれないけど、それだけよ。年に何度かだけどね」

静から動、ひとりから少数、大人数、老若男女。同じ湖の話とは思えないほど、十人十色の過ごし方が聞かれました。しかし多様な側面を発見できながらも、共通していたのは「その人らしい」過ごし方をされていたこと。そしてそのどれもが内側からじんわりと温まるような、穏やかな心地よさに包まれたエピソードであったことでした。

そこから本格的に湖に焦点を当て、手探り状態ながらもまずは細々と情報発信していく取り組みをスタートしました。
こうした取り組みから、実証実験としてのイベントを開催する中で、地域内外の方々の声を通じて徐々に「湖」「レイクリゾート」の価値について輪郭が見えてきて、冒頭の「レイクリゾートとは」という考え方に繋がっていきます。

蓼科・白樺高原で
本プロジェクトに取り組む背景

私たち「レイクリゾートプロジェクト」は、長野県茅野市・立科町に位置しています。
このエリアで高原の湖として存在する蓼科湖・白樺湖・女神湖は、戦前戦後に農業用のため池として人工的に作られ、現在も農業用水として使われています。先人達が数々の苦労を重ねられ、 今日に至るまで持続可能な所有・管理体制を維持してきたことで、 これらの湖は乱開発を逃れてきました。

こうした背景の中、白樺湖・蓼科湖・女神湖はそれぞれが重要な観光資源となり、その周辺エリアは湖を中心に観光開発・別荘開発として発展してきました。その後、この土地の自然に惹かれ豊かなライフスタイルを好んだ人々のおかげで、当地域は日本国内で軽井沢に次いで 2番目に別荘が多いエリアにまで成長しました。

現在では、そうした成長の反面で、別荘利用者の高齢化や若年層の認知低下などの課題も表面化してきた現実もあります。そのため、改めてこの地域固有の豊かさを表現し今一度この地域の良さを知ってもらうためにも、「レイクリゾート」を蓼科・白樺高原地域全体で本格的にプロジェクト化し、市の観光拠点再生計画と連携して、まちづくりの概念に取り入れていくこととなりました。

このwebサイトで伝えていくこと

本サイトでは、主に蓼科・白樺高原全体を「レイクリゾート」として、一人ひとりが居心地のよさを見つけられるような場をつくっていく、その軌跡を残していきます。
そのため、当地域での「レイクリゾート化」につながったといえる事例を、官民問わずご紹介していきます。

目的のひとつは、

蓼科・白樺高原全体をレイクリゾートとして包括的な発信をするため。
蓼科・白樺高原は茅野市・立科町に跨っており、且つ土地柄的に、どうしても情報発信が事業者ごと観光協会ごとにバラけてしまいがちでした。しかし観光・別荘・移住その他でこの地域に興味を持ってくれる方、そしてレイクリゾートとしてこの地域を捉える際には、もっと広い単位で発信していきたく、本サイトが制作されました。いつかこの地域が日本のレイクリゾートを牽引していく、象徴的存在になれることを目指して連携を高めてゆきたいです。

もうひとつは、

「レイクリゾート」が国内でも当たり前の言葉として浸透していくように。
海や川と同様に、湖が行き先の選択肢として挙げられるような、ライフスタイルの中に自然と存在するようなところまで、湖やレイクリゾートの価値を押し上げていきたいと私たちは考えています。ゆくゆくは他の地域と連携して国内のレイクリゾート全体を盛り上げていきたいです。そのために、少しでもこの地域での取り組みを、国内の他地域でも参考にしてもらえないかということで、事例集のようにまとめていきます。既に先進的な取り組みをされている地域も勿論ありますが、参考になりそうなことがあれば盗んでいただける程度に、覗き見てもらえれば幸いです。

おわりに

これまで私たちのプロジェクト背景についてお話ししてきましたが、自然環境や時代背景、人々の価値観は、時間の経過によって変化していくことが大前提です。

「湖の価値はこれだ」
「レイクリゾートとはこういう場所である」
と明確に定義することは、”住んでよし、訪れてよしなまちづくり”や”居心地のよいレイクリゾート”とは相反する行動だと捉えています。

常に変化できる余白を残しつつ、地域に、人々に、ゆるやかに寄り添いながら進んでいけるプロジェクトでありたいと考えています。